スキーで森へ

このところ、室内でゴロゴロしていることが多くなった。こんなことではいけないと、久しぶりに歩くスキーをはいてみた。昨日の季節はずれの暖気で、深い雪も少しはしまっただろう。ひとり裏山の森の中を滑る。奥まで進むと人の気配は消える。無数の動物の痕跡と、冬の間静かに休んでいる木々と、一面の雪。
　家でじっとこもっていると、つまらないことでも、いらっとしてくる。人間が煮詰まってくるんだな。そんな時はちょっとしんどくっても外に出て行くほうがいい。雪の上を駆け回る小さなヤチネズミを眺めたり、モモンガの巣穴を見つけたりして、そして冷たい空気が少しだけ気持ちを解きほぐしてくれる。